レシムノに憧れて

雑記以外の何物でもないです。趣味はエコとギリシャです。

憧れの洗濯

ギリシャの名匠、テオ・アンゲロプロス監督の映画に、エレニの旅という作品があります。

とても心にずんとくる辛い映画なのですが、テオ監督の作品に共通する映像の美しさは本当に透き通るようで目を奪われます。

だからこそ余計に悲しく感じるのですが。また、悲しみの中にも美しさに救いを感じたり。いや、こんなに美しいのにわざわざ不幸を作り出す人間、と悲しくなったり。

美しさがいろんなことを伝えてくれます。


作品の代表的なシーンですが、白布の丘と呼ばれる丘で、真っ白なシーツが何枚も何枚もはためいている中に美しいエレニが立っているシーンがあります。

ほんとうに綺麗。

不幸の中にもささやかな幸せがある日常を手に入れた充足感のある場所でした。

(のちに悲しいことも起こる場所でもあるのですが…。)


洗濯、というと私の憧れはこのシーンです。

干してるものも場所も干してる私も全く違うのですが、洗濯物を干してる時は、特にタオルや布オムツを干してる時はこのイメージを持って干すと充実感が全然違います。

いうまでもなく完全に自己満足です。


洗剤は長年石鹸の洗剤を使うも落ちが悪く子供に嫌な思いをさせたりしつつ自然派ジプシーの時期が長くありました。

今は酸素系漂白剤のみのつけおき洗いに落ち着いています。

洗い上がりのちょっとごわついた感じもほとんど無臭の清潔な生地の匂いも、全てが気に入っています。もちろん汚れも落ちているし、石鹸時代に悩まされた洗濯槽の汚れもゼロでいつもきれい。温度の高い残り湯を利用するしかないところも無駄がなくて自己満足度は高いです。


広い、風の強い丘にロープを渡して干せたら壮観ですが、ベランダに干しているだけでも妄想も手伝ってけっこう幸せを感じられる私です。